パール(真珠)

指輪でよく使われる真珠は、カジュアルにもフォーマルにも使える、時を選ばない宝石です。真珠にまつわる伝説はたくさんあります。”月の光によって受胎して生まれた” ”いなづまが貝に入り受胎して生まれた” ”月の雫の結品” ”人魚の流す涙が空気に触れて固まった宝石” などさまざまな言い伝えがあります。聖書には「神殿の各門は真珠で飾られていた」と記されています。古代エジプトの女王クレオパトラはローマの英雄アントニウスとある賭をしました。「どちらの饗宴が賛を尽くしているか」。ところがクレオパトラの用意した料理はいつもと少しも変わらない。「こんな料理、どこも豪華ではない」というアントニウスにクレオパトラは「今宵のメインディッシュはデザートです」と一言。彼女は耳につけていた大粒の真珠を、酢の入ったグラスにほうりこむと溶かして一気に飲んでしまいました。こうして賭に勝ったクレオパトラですが、このときの真珠、東方の王たちから献上されたプトレマイオス朝の貴重なもので、数億円の価値があるという伝説の真珠でした。様々な指輪でも現在使われているように昔から人気がありました。

結婚指輪の天然宝石のピュアな輝き

結婚指輪や婚約指輪で使われるほとんどの宝石は原石を研磨してはじめて輝きを放ちますが、真珠は生まれたままの姿で美しさを発揮する宝石です。指輪で使われる真珠は生物の一部なのです。真殊は生まれた環境によって、色、形など個性もさまざまです。

養殖の歴史はとても古く、中国では十三世紀にすでに行われていました。母貝(真珠をつくる貝)が中に入った砂や小石をうまく吐き出せなかったとき、自らの分泌液で異物を包み込んで、規則正しい層をつくっていくのを発見し、貝の中で真珠が生まれることを知ったのです。この防衛反応を利用して、仏像の形をしたものを貝の中に入れてみました。するとそれに真珠層が形成され、仏像の形をした真珠ができたのです。これは仏像真珠と呼ばれる人類最古の養殖真珠として有名です。日本で真珠がとれるようになったのは明治時代で真珠の養殖に成功したのがきっかけで、日本の宝石として世界に広く知れ渡りました。日本は真珠に適した自然条件を備えているので質がよく、世界各国に輸出されています。日本人の手先の器用さも手伝って技術面においてもほかの国より優れています。